奥多摩 林道川乗線・日向沢線 ~忘れられたトンネル【踊平トンネル】を見に行く~

10月初旬に、林道川乗線と林道日向沢線を、ロードバイク輪行で訪れました。目的地は林道日向沢線の終点にある、踊平トンネル。踊平トンネル以降は未通(破棄)となっているため、実質的に日向沢線の終点です。

 

JR青梅線輪行し、終点・奥多摩駅からスタートします。到着したのは朝8時頃です。早い時間なので輪行も問題なく行えました。駅にはほかにもロードバイクランドナーを携えたサイクリストが多数おりました。

駅前には「ワサビ食堂」の移動販売が来ていました。

 

武蔵五日市駅に比べると小さな駅ですが、休日の都内だけに賑わっていますね。登山客が多いのかな?駅舎二階には喫茶店が営業していました。

 

登山に行く場合、駅前のバス停から西東京バスに乗車するのでしょうか。うどん・そばの食事処がありました。帰りに立ち寄りたかったですが、ちょうどお昼時で混んでいたのと、駐輪できる場所がなかったためスルー…。

 

さて、川乗林道の入り口まで向かいましょう。まずは駅前の道路を右に進んで、橋を渡ります。下を通るのは日原川です。

 

日原街道(にっぱらかいどう)に入ります。

 

狭い道路ですが、路線バスも通るんですね。これに乗ってみるのも面白そうです。

 

日原街道はどん詰まりなので交通量は少なめです。渓流釣りやキャンプ場目当てのクルマが多いかと思います。

 

ブリヂストン・アンカーRL6に乗っています。長距離を快適に走ることに重きを置いた、「エンデュランスロード」というジャンルに括られる自転車です。

勾配は比較的緩やかです。景色も徐々に変わっていくので、走っていて退屈しない道です。

 

 

平石橋を渡ります。川乗林道の入り口はもうすぐです。

 

橋を渡ると道が狭くなります。

 

警笛ならせの標識がありました。上をトロッコが走っています。

 

川乗林道入り口につきました。普段はゲートが閉まっていますが、開けたら入れます。川苔山の登山口も林道内にあるようです。

 

少し霧がかかって神秘的な雰囲気でした。

 

勾配はなかなか厳しいです。これはどこかでギブアップしそう…。

 

新しく造成された区間もありました。林道というより最早一般道のクオリティですね。

 

写真映えしそうな場所も。

 

橋を渡ると勾配が特にきつい地点があります。押し歩きです。最早登山…。引いている自転車は下り専用デバイスと化しました…。

 

路面も荒れており、勾配もきついです。

 

綺麗な滝も見られました。癒されました。

 

バイクのライダーさんとすれ違いました。ご安全に!

 

紅葉の時期に来たら良さそうですね~。

 

確かここを右に進むと、渓谷沿いを歩いて「百尋の滝」に行けるはずです。今回はそこまでの体力がないのでスルー。

 

この区間は大きめの石が所々落ちているので注意が必要です。道路右側の崖の下に百尋の滝があるはずです。

 

下はがげっぷちのため走行注意です。すごいところに道を作ったものだと思います。

 

途中で抜かれたハイエース。またすごいところに入ってくるなと思いましたが、慣れているようですね。登山客か、百尋の滝に行く人々かもしれません。

 

もう一台抜かれたのが軽トラック。この先のわさび農場の軽トラのようでした。猛スピードで上がっていくので驚きました。

 

路面は良くありません。

 

ついに未舗装路になってしまいました。ここまで来たらトンネルを拝むまでは引き返せないので、進みます。押し歩きですが…。

 

景色は変わらず、退屈です。帰りたくなってきました。さっきから耳元で虫がぶ~んぶ~んとまとわり付いてきます。驚くし気持ち悪いし、勘弁してほしいです。

 

川乗林道と日向沢林道の分岐点まで来ました。左が川乗林道方面、右が日向沢林道方面です。今回は右に進みます。この辺りはもうグーグルマップには載っていません。

 

 

ガードレールは新しめですが、路面は未舗装というチグハグな区間もあります。うる覚えですが、平成16年東京都と書いてあったような気がします。新しく見えますが、設置から20年くらいは経過しているようです。

 

一方でガードレールのない場所も。どういう基準で設置しているのでしょう。

 

見通しも良くないので退屈な道です。早く着いてほしい。

 

ワサビ農園の軽トラが見えてきました。軽トラ最強説。ここまでの区間はよくクルマが通っている区間ということになりますね。

 

ワサビ農園の先は進むのをためらう雰囲気があります。この先は普段誰も使っていない道ということですから…。

 

せっかくここまで登って来たので、覚悟を決めて進みます。ただただ日影の道を進む中で、虫が近寄ってくるのがとても鬱陶しい。

 

立派な擁壁がありました。この林道のためにだと思われます。急斜面に道を造るというのは、とても大変でコストのかかることなんですね。

 

するとなんだかいきなり走りやすくなりました。舗装直前まで整地されたような感じの路面です。

 

いきなり舗装路が出現しました。ようやく踊平トンネルに到着しました。

 

誰も通らず、朽ちていくのを待つだけの踊平トンネル。

 

踊平トンネルは、平成11年(1999年)に完成したトンネルです。

 

計画ではこのトンネル以降も道が造られ、有馬峠(埼玉県秩父市)までがつながる予定でした。写真で「林道計画線」となっている部分がそうです。

しかし、この踊平トンネルが造られた以後に、計画は頓挫したようです。踊平トンネルは以降の道が開通しなかったために、使われることなく20年以上にわたり放置されています。

 

歩道までついていて林道のトンネルにしては立派な造りのように感じます。

 

残念ながらトンネルの先は土砂崩れのようになっていて通行できません。ネットで調べてみると、少なくとも10年以上前からこのような状態で放置されているようです。

案内板では「林道計画線」となっていますが、道自体は、埼玉県との県境付近まで続いていたようです。あと一歩、あと一本のトンネルが…というところで予算的に力尽きているような形です。

 

踊平トンネル以降は山側の擁壁工事がなされていません。さらに奥に進んでいくと、道路は崩落により原型をとどめていないようです。

 

衛星写真で見てみると、このようになっているかと思います。よくこれを繋げようという計画があったなと思います。

 

お昼ご飯は駅前に移動販売が来ていた、わさび食堂の豚丼を頂きました。甘みのあるわさびと豚肉がマッチして美味しかったです。