サイクリング用に『Amazfit GTR4』を購入した話

2022年1月に、XiaomiのMi band 6 を主にサイクリング用として購入し、日常的に使用してきました。6,000円程度と安価ながら、基本的な機能はしっかりしていて使い勝手が良かったので気に入っていました。しかしながら、①最近、長距離ライドで記録を取る際、記録ストップを押した際にアプリがフリーズして記録を残せないという事象が、何度か発生するようになった、②GPSを内蔵していないため、スマホとの連携が必須であり、スマホのバッテリーを気に掛ける必要があった、③コンパクトで付け心地がいいが、その分画面が小さく、ライド中に画面を確認しにくかった、という以上の3点が不満になってきていました。

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↑Xiaomi Mi Band 6の記事です。

 

スマートバンドは運動のモチベーションにもなるだけでなく、生活中でも活用できることが、Mi band 6を使用していく中で分かったので、もう少し上位グレードのものを購入してみることにしました。結論から言ってしまうと、今回購入したのは「Amazfit GTR4」です。

今回は、サイクリング記録向けに「Amazfit GTR4」を購入した決め手は何だったのかについてと、実際に一度サイクリング記録(80km走行)で使用してみての感想について書いていこうと思います。

『Amazfit GTR4』にした決め手は?

「Amazfit GTR4」にした決め手は、①GPS内蔵、②バッテリー、③価格、④重量、⑤画面サイズ、⑥丸形のデザイン、です。

まずは①GPS内蔵について。これまで使用していたスマートバンドはGPS内蔵モデルではなく、記録を取るにはスマホとの連携が必須でした。長距離ライドでは、スマホ側の電池残量も気にかける必要があり、若干の不便と感じていました。また記録開始時に、毎回スマホBluetooth接続ができているのか、確認する必要がありました。どちらも小さな、面倒です。GPS内蔵モデルにしてしまえば、スマートバンド単体で記録できるので、この小さな面倒から解放されると考えました。

次に②バッテリー持ちについて。これまで使用してきたMi band 6の大きな魅力の一つが、バッテリーが非常に長持ちであるということでした。1週間に一度の充電でも余裕がありました。非常に利便性を感じていたので、次に使用するものも、バッテリーが長持ちするものが候補にあがりました。Amazfit GTR4は使い方によりますが、満充電で1~2週間ほど使用できるようです。

その次に③価格です。単純に今回予算が3万円程度に目安を付けてみていました。スマホを母艦として使用するスマートバンドに、スマホ並みの価格は出せないなというのが正直なところです。Amazfit GTR4はアマゾンのクーポン使用で、29,000円ほどで購入できました。

 

他にも、重視していたのが④重量です。Mi band 6は非常に軽量で、つけているのを忘れるくらいでした。購入後しばらくしてからは、ステンレスベルトに交換して使用していました。付属ベルトより重くなりましたが、トータルで60グラムでした。Amazfit GTR4は、付属のシリコンバンド込みで60グラム程度だったため、ベルトを交換しないのであれば同じような感覚で使用できるかと思い、購入を決めました。実際腕に付けてみても、重たいなと感じることは無いです。

次に⑤画面サイズについて。Mi band 6はサイズがコンパクトで、非常に付け心地が良かったのですが、その分画面が小さいため、サイクリング中に記録を見ずらいという多少の不満がありました。そこで新しく購入するものは、画面がより大きいものから選択しました。Amazfit GTR4はMi band 6よりも画面サイズが大きめであるため、サイクリング中に数値を確認しやすくなりました。

 

最後に⑥デザインです。以前から丸形のスマートバンドが欲しいと思っていました。クラシカルなデザインでありながらも、中身は最新というギャップに惹かれていたからです。丸形のスマートバンド(スマートウォッチ)には、2022年10月に発売されたGoogle Pixel Watchや、サムスン Galaxy Watch、ガーミンの各製品…など、さまざまあります。Pixel Watch、Galaxy Watchはより多機能な「スマートウォッチ」であるため、バッテリー持ちに不安があって、候補からは外れました(Pixel WatchiPhoneでは使えません)。ガーミンは有効な選択肢でした。正直、非常に悩みましたが、ガジェット感の強すぎない、クラシカルな見た目が今回は刺さったので、今回はAmazfit GTR4にしました。

サイクリング中の使い勝手は?

サイクリング記録用のスマートバンドとしては、使い勝手はどうなのかについてです。Amazfit GTR4で記録を取りながら、ロードバイクで80kmほど走行してきた際の感想を述べていきます。

サイクリングで便利に感じた点は、①画面の見やすさ、②GPS内蔵、③独自OSの使いやすさ、④バッテリー持ち、⑤アプリ連携です。

①画面の見やすさについて。これまで使用してきたスマートバンドより、画面が大きくなり、やはり見やすさは大きく向上しました。停止時に腕を上げて、心拍数や走行距離を見る際に便利です。また、画面の明るさをスマホのように、自動的に調整してくれることも、画面の見やすさに貢献しています。私の場合、日中使用していて画面が暗いなと感じることはありませんでした。

 

ワークアウト中(運動記録中)に、トップに表示されるのがこの画面です。継続時間、走行距離、心拍数、時速、の4項目が表示されます。心拍数ではその値に応じて、「無酸素」「有酸素」「インテンシブ」「ライト」「リラックス」と、強度がどこにあるかについても表示してくれるので、目安としては便利です。今、体にこのくらいの負荷がかかっているんだな、と確認できるのは面白いです。有酸素運動のモチベーションにもなります。※心拍数はあくまで一つの指標です。

 

上下にスワイプすると、ほかの画面(ページと称されています)を表示します。平均時速、獲得高度、現在の高度がわかります。平均時速はサイコンなどと違い、停止中にもカウントされているので、信号で停止しているとリアルタイムに落ちていきます。こんな感じで数値の表示が大きいので、視認性は良いです。

ちなみにこの表示ですが、本体の設定から、スワイプして切り替えられる「ページ」を増やしたり、表示できる指標の種類を選択することができます。詳細は後程、ご紹介します。

 

次は心拍数の画面が見られます。写真ではうまく写っていませんが、現在の心拍数のほかに、ワークアウト中の心拍数の推移をグラフで表示してくれます。画面サイズが大きいことの利点を感じます。

GPS内蔵であることも、便利に感じた点です。スマートバンド単体でも記録を行えるため、スマホとのBluetooth接続、スマホの電池残量を気にしなくてよく、便利に感じています。日本の衛星「みちびき」にも対応しており、電波を受信しにくいような環境にも強いそうです。

使い道はよくわかりませんが、写真のように、走行してきたルートのGPSの軌跡を見ることもできます。拡大縮小もできますが、地図ではないので一体どのように使用するのでしょう。あっ、上にNとあるので、進んでいる方角を確かめながら進む、という使い方ができるのでしょうか?

 

一点気になったのが、StravaとZeppGPS軌跡に差がある箇所があったことです。

差のわかりやすい部分を、2か所抜き出してみました。左がStravaに共有したデータ、右がZeppアプリに記録されたデータです。どちらも、Amazfit GTR4のGPSで記録したものですが、Stravaのほうが軌跡が実際の走行位置に近いです。

データは正しく取れているが、Zeppアプリの表示がそれを反映していないのか、Stravaが道路沿いに修正してくれているのか、よくわかりませんが、修正をきかせるのは難しいでしょうから、おそらくGPSの軌跡自体はStravaに表示された形で記録できているけれども、Zeppアプリの表示が大雑把なだけではないかと想像しています。

 

高層ビルが林立する新宿都庁前付近を歩いてみました。

 

大体どこを歩いたのかを読み取れる程度には正確に記録できていました。iPhone本体のGPSで記録しても、大体このような感じなので、十分な精度ではないでしょうか。

 

左右にスワイプすれば、ワークアウト中でも、Bluetooth接続したスマホ側の音楽を操作することもできます。面白いのが、Amazfit GTR4自体にも内部ストレージ・スピーカーがあり、スマホアプリから音楽を入れておけば、単体で音楽を流せることです。(この内部ストレージ機能はまだ使用していません。使用したら加筆します。)

 

Amazfit GTR4を含むAmazfitのスマートバンドには、「Zepp OS」と称される独自OSが搭載されています。この③独自OSの使い勝手が良いと感じました。

特に、Mi Band 6 と比べて便利だなと感じた点は、ワークアウトの中断方法に「後で再開」のモードが用意されていることです。記録停止の方法として、「一時停止」「終了」「後で再開」の3種類が用意されています。「一時停止」は単純にワークアウト記録を一時的に停止するもので、すぐに再開することを想定したものです。この状態では、あくまでワークアウトに縛られており、スマートバンドとしてのほかの機能を使用することができません。しかしこれだと、例えばお昼ご飯中に時刻や、ほかのデータを確認したい時などに不便なんですよね。

 

そのような、まとまった時間ワークアウトを中断するときに使えるのが、「後で再開」です。「後で再開」としておくと、ワークアウト記録を一時中断しつつ、スマートバンドとしてのほかの機能も制限なく(ほかのワークアウトはおそらく開始できませんが)使用できます。

Mi Band 6 にはこの「後で再開」モードがなかったので、ワークアウトをまとまった時間停止したいときに、不便に感じることも多かったのですが、Amazfit GTR4はその不満を解消してくれました。

画面の上部にランニングマークが表示されていますが、これが「後で再開」としてワークアウトを一時停止していることのサインです。

他にもMi Band 6 と比べて便利だなと感じた部分があります。ワークアウト中に表示される画面をカスタマイズできることです。ノーマルでは、(1ページ目)「ワークアウト継続時間」「距離」「心拍数」「時速」、(2ページ目)「平均時速」「獲得高度」「現在の高度」、(3ページ目)「心拍数の推移グラフ」、(4ページ目)「GPS軌跡」となっており、上下にスワイプすることで見られます。

このページを増やしたり、ページに表示する指標(ほかにも現在の勾配、平均勾配や消費カロリーなどを表示できます)、1ページに表示する指標の個数、位置などを指定できるのです。Mi Band 6では、限られた画面スペースの中で、表示する項目を選択できなかったので、不便を感じていました。かゆいところに手が届く、よくできたOSだと思いました。

 

④はバッテリー持ちです。やはりバッテリーが長持ちの機種だと、1日ワークアウトを行っても残量に余裕があり、バッテリー残量を気にする必要がなく便利です。泊りでも充電器をわざわざ持っていく必要はありません。

今回のサイクリング中のワークアウト時間の合計は、約5時間半でしたが、バッテリーは約30%の消費でした。使い方や環境で電力消費量は変わるとは思いますが、個人的には十分満足な結果だと感じます。

⑤はアプリ連携です。Amazfit GTR4で記録したデータを管理するには、スマホ側に「Zeppアプリ」をダウンロードして使用します。Zeppアプリから、Strava・ヘルスケア(iPhone搭載の健康管理アプリ)などに、データを共有することができます。どのスマートバンドでも、この共有機能はあって大きな差はないと思いますが、特定のアプリに閉じているとデータが取り出しにくかったり、ほかのメーカーのスマートバンドに乗り換えたときに過去のデータを捨てることになったりするので、共有の方法が用意されていることは重要かと思います。

以下、Zeppアプリから自転車乗り御用達の『Strava』、そのほか『ヘルスケア』、『Google Fit』へのデータ共有の方法を記述します。Stravaに共有できれば、それで十分だとは思います。一つひとつこなせば難しい話ではないですが、ややこしいとは思うので、興味のない方は読み飛ばしてください。

Amazfit GTR4で記録したデータを共有する

【Stravaに共有】

Amazfit GTR4→Zepp→Strava

〈共有される情報〉

ワークアウト(走行距離、走行経路、実施時間、平均時速、消費カロリーなど)

〈設定手順〉

Zeppアプリの『アカウントを追加』から、Stravaアカウントを追加

自転車乗りがよく使っている、「Strava」への共有は容易です。走行経路や実施時間などを共有することができます。

Stravaでは、ワークアウト実施時間ではなく、時速が0kmの時間を除いた「移動時間」を軸としているようで、平均速度がZeppアプリのデータよりも早く出ます。

 

【ヘルスケアに共有】

Amazfit GTR4→Zepp→Strava→ヘルスケア

〈共有される情報〉

歩数、心拍数、睡眠中の情報、ワークアウト(移動距離、消費エネルギー、実施時間など)

〈設定手順〉

Zeppアプリの『アカウントを追加』から、Stravaアカウントを追加

②Stravaアプリの『ヘルスケア設定』から、ヘルスケアへ送信、をオンに設定

③ヘルスケアの『プライバシー』から、Stravaにデータの「書き込み」を許可する

④ヘルスケアの『ワークアウト』の『データソースとアクセス』から、「データソース」として、Stravaをオンに設定

iPhoneに標準搭載されている健康管理アプリ『ヘルスケア』への共有も、Zeppアプリから直接できるのですが、「ワークアウト記録」(いつ何の運動を何時間行ったか)はStravaを経由しなければ共有できません。Zeppから直接共有できるデータは、アクティブエネルギー、BMI指数、心拍数、睡眠、体重、歩数のみです。

このiPhoneのヘルスケアアプリは、データを書き込めるアプリの選択、書き込めるデータの選択、データを読み出せるアプリの選択、読み出せるデータの選択を細かく設定できます。またデータが複数ある場合(例えば歩数はZeppアプリでも、iPhone本体でも計測していますよね)、どれを優先的にデータとして使用するか、ということまで設定できます。謎に機能が充実しています。電子端末などを使い慣れている人であれば、細かく設定できることはメリットですが、苦手な人にはなかなかややこしい作業になるかもしれません。

 

【GoogleFitに共有】

Amazfit GTR4→Zepp→Strava→ヘルスケア→Google Fit

〈共有される情報〉

歩数、心拍数、睡眠中の情報、ワークアウト(移動距離、消費エネルギー、実施時間、平均速度など)

〈設定手順〉

Zeppアプリの『アカウントを追加』から、Stravaアカウントを追加

②Stravaアプリの『ヘルスケア設定』から、ヘルスケアへ送信、をオンに設定

③ヘルスケアの『プライバシー』から、Google Fitに読み出しを許可する

Google Fitに共有する場合、直接の共有ができないため、Zepp、Strava、ヘルスケアを経由させて共有する形になります。ただし、走行経路は共有できません。

 

以上、共有方法を記しました。これは2022年11月時点での情報なのでご注意願います。仕様が変更される可能性は十分にあります。

ずらずらと書き記しましたが、サイクリング用途としては、Stravaに走行ルートや心拍数が共有できれば、十分かと思います。

まとめ

以上、サイクリング記録向けに『Amazfit GTR4』を購入した決め手、実際に一度サイクリング記録で使用してみての感想、について書きました。

Mi Band 6 からアップグレードする形での乗り換えですので、より使いやすくなり今のところとても気に入ってます。とはいえ、まだ購入してから日が浅いので、今後使用していく中で気が付いたことがあれば、追記していきたいと思います。