【ロードバイクトラブル】リアディレイラー(ギア)がトップ側数段に入らなくなった

ロードバイクのリアディレイラーシマノ 105 R7000)の変速の調子がおかしくなってしまいました。トップ側(歯数の少ない小さいギア)の数段(5~11速)に入らなくなってしまったのです。

リアディレイラーはケーブルを引っ張るほど、ロー側(歯数の多い大きいギア)にチェーンを移動させる仕組みです。ケーブルを引っ張らない状態では、トップ側にあることになります。リアディレイラー側にバネがあって、シフターはケーブルを引っ張る量を調整しているだけです。

そのため、今回のようにトップ側に入らなくなってしまう原因としては、①リアディレイラーが故障した(調整が狂った)、②そもそもシフターが故障した、③ケーブルが滑らかに動かなくなった、くらいかなと想像します。

①リアディレイラー自体は手でグイグイ動かしてみても、特に問題はなさそうでした。ディレイラーハンガーも曲がっていません。

②シフターも大きな衝撃を加えたこともなく、カチカチ操作してみる分には特には問題なさそうでした。

ということで、一番怪しいのは③ケーブルが滑らかに動かなくなった、です。面倒ですがSTIカバーをめくりあげて、ケーブルをチェックしてみます。

 

中でケーブルがほつれていました(※写真はケーブルを取り除くため切断した後です)。STIレバーの外側(人差し指が来るほう)を写しています。

ブラケットカバーをめくりあげただけでは、タイコが収まっている部分を確認できず、バーテープをはがし→STIレバーをハンドルバーから取り外し→ブラケットカバーを取り外し→下面のネジで止まっているプラスチックカバー(ブラケットカバーを外してからでないと干渉して外せませんでした)を取り外して、ようやくタイコを目視できました。

 

インナーケーブルを線で描いてみるとこのような感じかと思います。赤い部分が見えている箇所、黄色い線が見えていない箇所と思ってください。

インナーケーブルはSTIレバー内側(親指がくるほう)に、進行方向の向きで到達します。するとそこで、進行方向と垂直になるように90度カーブし、STIレバーの外側に到着します。そしたら、下側にグイっと90度曲げられ、その先でタイコをひっかける部分(終点)に到着するイメージ。STIレバー内部でくねくね2か所曲げられているんですね。

ということで、負担かが常にかかっているので、ほつれてしまったようです。走行距離は3,000km程度です。

通常の使用でここまでほつれることは無いはずですから、トップ側にギアが入らなくなった際に、原因は何だろうとリアディレイラーをぐいぐい手で動かしたときに、ほつれを悪化させたようです。一番最初にケーブルのほつれを疑うべきでした。

 

STIレバー内側(親指側)はこのようになっています。

STIレバーに進行方向と同じ向きで入ってきたケーブルは、白いカバーの箇所で90度右に曲がって進行方向と垂直に進み、STIレバー外側に到達すると、今度は下に90度曲がってタイコをひっかける位置に到達します。

 

STIレバー外側(人差し指側)をもう少し下側から写してみると、このような感じです。インナーケーブルの始点のタイコがこうすると見えます。

STIカバーを完全に取り外して、さらにネジでとめてあるプラスチックカバーを外さないと、ここまで見られませんでした。

 

本来、変速をトップ側11速にすると、このタイコがもっとSTIレバー側面の穴に近い位置まで上がってくるはずで、その穴からであればSTIカバーをめくりあげるだけで、ケーブルを交換できるのです。

しかし今回は、ケーブルがほつれ、トップ側に持ってこれない(タイコが上がってこない)ため、バーテープをはがし→STIレバーをハンドルバーから取り外し→STIカバーを取り外し→下面のネジで止まっているプラスチックカバーを外して、ようやく古いケーブルを引き抜くという羽目になりました。

 

ほつれたケーブルを除去すると、このような感じです。

定期的にブラケットカバーをめくりあげて、インナーケーブルにほつれがないかチェックしておき、兆候が見られた場合にはひどくなる前に交換してしまうというのが、一番手間がかからず良いのでしょう。今回は良い勉強になりました。

あと、よく言われることですが、保管時にはやはりトップギアに入れておいたほうが、リアディレイラーのバネにも、STIレバー内部のケーブルにも優しそうですね。